韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は同盟国である米国と北朝鮮を対話の席に着かせることで仲裁役を果たした。いま直面している課題は、金正恩朝鮮労働党委員長に核兵器の放棄を促すため、米朝双方に譲歩するよう説得することだ。ドナルド・トランプ米大統領と金正恩氏が2月にハノイで行った米朝首脳会談は、米側が非核化を求め、北朝鮮側が経済的見返りを求める中で決裂した。11日にホワイトハウスで開かれる文大統領とトランプ氏の米韓首脳会談では、朝鮮半島を戦争の瀬戸際から引き戻した緊張緩和の動きを文氏が前進させることができるかどうかが焦点となる。韓国の安全保障当局幹部は9日、3度目となる文氏のワシントン公式訪問の目的は、米朝交渉のロードマップ(工程表)を作成し、非核化交渉再開の道筋を付けることだと述べた。こうした取り組みの一環として、文政権はトランプ氏に6月末までの訪韓を要請する予定だという。