――筆者のウォルター・ラッセル・ミードは「グローバルビュー」欄担当コラムニスト ***  アラブ世界では新たな春とともに一連の政治危機が再び訪れている。今回は「賞味期限」を過ぎて久しい独裁者たちが、アルジェリアとスーダンで打倒された。両国では、支配階層のエリートたちが寄り集まって、多くの怒れる抗議行動参加者らの不満を静めようとしている。だが、陰謀をめぐらすことには慣れていても、過去何十年間も政治的圧力から隔絶されてきた彼らには何の方策も示せていない。  「この地域が必要とするのは、経済改革と開かれた政治だ」などと、開発理論と民主化促進のマントラを唱えるのは簡単だ。