アップルとクアルコム、和解はどちらに得かPhoto:iStock/gettyimages

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 激しい訴訟合戦では双方が利益を得ることはほとんどない。しかしアップルとクアルコムの特許訴訟は、それに極めて近い結果となった。

 当然ながら多くの点は和解の内容次第となり、その詳細は現在のところ明らかになっていない。両社は16日午後、全ての係争を終わらせることで合意したという短いプレスリリースを発表した。和解内容には、6年間のライセンス契約、複数年のチップセット供給、アップルからクアルコムへの金銭の支払いに関する合意が含まれている。これ以上のコメントは両社とも出していない。今回の和解合意は、両社間の最新の訴訟の冒頭陳述が始まったばかりの段階でまとまった。

 和解発表を受け、16日のクアルコム株は23%余り急伸して取引を終了。一方でアップルの株価への影響はほとんどなかった。これは、和解がクアルコム側の大きな勝利だったことを示唆している。

 しかし、両社の係争はこれまで、財務面ではクアルコムへの打撃の方が大きかった。アップル製品の受託製造企業はクアルコムに対する何十億ドルもの特許使用料の支払いを留保してきた。また、これまでの対立に伴い、クアルコムはアップルのiPhone(アイフォーン)などにモデムチップの供給ができなくなっていた。

 これらの問題による打撃は大きかった。昨年9月末までの通期決算では、クアルコムのライセンス収入はアップルによる最初の提訴以前となる2年前の実績と比べ、33%減となった。ライセンス収入は通常、クアルコムの営業利益全体の3分の2を占める。今期のチップセットの売上高は、2012年以来の低水準になるとみられている。