17年5月に策定した「新々・総合特別事業計画」(新々総特)では、「福島関連事業」として福島第一原発の廃炉費用、被災者への賠償、除染や中間貯蔵に必要な資金の全体像を示した。

 それによると、福島関連事業の見積額は13年末に策定した新・総合特別事業計画から倍増し、22兆円となった(図2)。特に廃炉費用は当初の2兆円から8兆円に膨れ上がった。

 いずれの計画も廃炉に必要な具体的な作業方法、装置など詳細が詰まっていない中で策定されている。廃炉費用は、米国のスリーマイル島原発事故後の廃炉作業に掛かったコストを根拠にはじいた数字であり、「8兆円はあくまで目安」(政府、東電関係者)だ。

 東電HDは、新々総特に基づき、17年度から26年度の10年平均で賠償2000億円、廃炉3000億円の費用を確保した上で、経常損益1600億~2150億円を毎年達成するという高いハードルを設定している(図3)。廃炉費用が上振れすれば、その設定は崩れることになる。

 17年度は賠償1267億円、廃炉1600億円を費用として計上した。このほど、19年度から3年間の廃炉作業に必要なプログラムと費用を公表した。19年度に1949億円、20年度は2336億円、21年度は2016億円を見込む。新々総特より少ないのは、廃炉作業の進捗状況やコスト削減などが影響しているからだ。