いよいよ韓国から撤退する日本企業も
規模が大きいほどコストは嵩む
半導体関連メーカーのフェローテックが損失覚悟で韓国からの撤退を決定したことが、話題になっています。
同社では今年2月、元従業員3人が営業機密侵害などの罪で韓国検察当局に起訴されています。フェローテックは「今後公判手続きに入るため、本事件に関するコメントは差し控えます」として細部を公表していないため、事案がどのような状況なのかはわかりません。公正な司法判断が下されないリスクを検討した上での韓国からの撤退だそうです。
海外進出した企業が撤退するときには、通常、かなりの額の損失が生じるものです。フェローテックの場合、事業撤退によって見込まれる損失は4億~6億円程度だというので、比較的傷が浅いうちに撤退する経営判断を下せたのだと思います。
一般的に、大企業が韓国レベルの国に経済進出しているケースで言えば、撤退にかかる損失は、水準としてはもっと大きい数十億円レベルになることが多いと思います。さらに大規模な工場など、本格的な設備投資がなされていると数百億円レベルになるものです。
そう考えると、同様に韓国からの撤退を検討している企業があるとしても、今回のように素早い経営判断を下せるケースは、それほど多くはないと思います。
さて、私事ですが、今週発売した拙著『令和を君はどう生きるか』で、新しい令和の時代がどのような時代になるのかを、7つのキーワードで説明しています。実はその中で、「令和の時代は外交戦争の時代になる」という予測を私は立てています。
韓国と日本は、元徴用工や慰安婦の問題などで関係が悪化するなか、経済的には日本企業が過大と思われるペナルティを課せられるケースが増えてきています。これを「韓国特有のカントリーリスク」と捉えることもできますが、実はそのようなリスクが存在するのは韓国だけではありません。