「卵じゃなかったのか…」悪玉コレステロールを上げていた“朝食の真犯人”とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

卵は悪玉コレステロール値を
上昇させるのか

 朝食の定番である卵は、コレステロール値を上昇させ、心臓病のリスクを高めると一般的に考えられている。

 しかし、卵に関する新たな研究で、1日に2個の卵と飽和脂肪酸の少ない食事を組み合わせて摂取した人では、悪玉コレステロールとも呼ばれるLDLコレステロール(LDL-C)値が低下し、心血管疾患の発症リスクが低下する可能性のあることが示された。その一方で、飽和脂肪酸はLDL-C値を上げる傾向があることも判明した。

 南オーストラリア大学のJonathan Buckley氏らによるこの研究結果は、「The American Journal of Clinical Nutrition」7月号で報告された。

 Buckley氏は、「われわれは、固ゆで卵のような厳格なエビデンスをもって、謙虚な卵の名誉を守ったと言えるだろう。朝食の中で心臓の健康に悪影響を与える可能性が高いのは、卵ではなくベーコンやソーセージなのだ」と話している。

 卵は、コレステロールは多く含む一方で飽和脂肪酸の含有量は少ないという点でユニークな食品だとBuckley氏は話す。

 同氏は、「それにもかかわらず、そのコレステロール値の高さから、健康的な食生活における卵の位置付けについて疑問を抱く人が多い」と指摘する。米クリーブランド・クリニックによると、LDL-C値が100mg/dLを超えると心臓病のリスクがあり、160mg/dL以上になると「高リスク」とされる。LDL-Cが高くなると、動脈内にプラークが形成されやすくなり、心筋梗塞や脳卒中の原因となる。

 今回の研究でBuckley氏らは、LDL-C値が3.5mmol/L(135.35mg/dL)未満の成人61人(平均年齢39±12歳)を対象にランダム化クロスオーバー試験を実施し、食事由来のコレステロールおよび飽和脂肪酸がLDL-C値に与える影響を検討した。