新倉山浅間公園の桜が見頃です。新倉山浅間公園は山梨県富士吉田市にある公園で、五重塔と桜と富士山を一度に拝むことができる有名なお花見スポットの一つです。

 今年は桜が開花してから寒の戻りが強く、例年よりも長く桜を楽しむことができています。この五重塔は地元では「忠霊塔」とよばれ、戦没者のための慰霊塔で仏塔ではありませんが、この景色が海外の旅行者向けに日本を紹介する有名なガイドブック「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」の表紙を飾ったことにより、日本を代表する風景として世界的に有名になりました。45年前までは、この公園は市民の憩いの場所で、観光客が集まるような場所ではありませんでしたが、数年ほど前にたまたま訪れた外国からの観光客が、インスタグラムに写真を投稿したのがきっかけとなり、その後タイの教科書にも掲載されました。また、近年たくさんの観光客が訪れる富士北麓の屈指の人気スポットとなりました。

 公園の入り口には新倉山浅間神社があり、コノハナノサクヤヒメ(木花佐久夜毘売)という富士山の神様が祀られています。忠霊塔までは398段の階段を登ります。下と上では標高差があるため、桜は鳥居のある階段下から咲き始め、徐々に階段を登るように咲き進み、五重塔の周りの桜が満開になるまでには数日のタイムラグが発生するので、その分長く桜を楽しむことができます。関東はすでに葉桜ですが、富士北麓はこれからが桜の季節本番です。

(撮影・文/クレセントエルデザイン)