紅葉と五重塔と富士山。日本を象徴する風景が一つのフレームに収まるこの場所は、たくさんの観光客で賑わいます。特に海外からの観光客に大人気のスポットになっています。映像にある真っ赤に染まった木は桜の木。春にはピンクに染まった桜の花と五重塔と富士山を同時に見ることができる絶景スポットとなります。この美しい風景を見ることができる場所は山梨県富士吉田市にある新倉山浅間公園です。

 公園の入り口には新倉山浅間神社があり、コノハナノサクヤヒメ(木花佐久夜毘売)という富士山の神様が祀られています。麓の神社から五重塔までは398段の階段を登ります。この「398」はコノハナノサクヤヒメの「サ・ク・ヤ」からとられています。この五重塔は仏塔ではなく、1962年に建てられた戦没者慰霊塔で、市民からは「忠霊塔」と呼ばれ親しまれています。忠霊塔後ろ側の斜面に設けられた展望デッキからは、富士吉田市街と富士山が一望できます。

 4、5年前までは、この公園は市民の憩いの場所で、観光客が集まるような場所ではありませんでしたが、数年ほど前にたまたま訪れた外国からの観光客が、インスタグラムに写真を投稿したのがきっかけにとなり、その後タイの教科書にも掲載されました。また、海外の旅行者へ日本を紹介する有名なガイドブックの「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」の表紙を飾ったことにより、日本を代表する風景として世界的に有名に。近年たくさんの観光客が訪れる富士北麓の屈指の人気スポットとなりました。

(撮影・文/クレセントエルデザイン)