店舗を持つ小売業が
デジタルで購買体験を広げる

 店舗を持つ小売業は、顧客に店舗に来てもらわないことには話にならない。いかにネットから店舗へ来てもらうか、また逆に店舗で商品を確認してウェブで商品を購入してもらうか、という購買体験を築いていけるかが、ECが拡大しているなかで重要な課題であることは事実だろう。

 アマゾンの日本事業の売上高は2018年12月期で約1兆5000億円、前年比で16%程度伸びている。これだけ分母が大きくなっても2ケタの成長をしていることは、取りも直さず購買のインフラになっている表れだろう。

 しかし、店舗を持つ小売業がデジタルで購買体験を広げるという動きは、ジワリと浸透しつつある。ウェブで商品に関連した情報を発信し、ネットでも店舗でも購買できるという取り組み、さらにそこにポイントを絡め、固定客化を図るところも増えてきた。こうした動きが一段と広がれば少なくとも今後、アマゾンの独走も続かないだろう。米国では店舗を持つ小売業に「いつでもどこでも」というオムニ化の動きが広がり、アマゾンも押され気味だ。

 アマゾンは国内の有料会員「プライム」の年会費を、従来の3900円から4900円に値上げした。国内の物流費高騰が収益を圧迫していることが主因とみられる。

「アマゾンの早い、安いという強みも揺らぎ始めている」(大手スーパー幹部)という指摘もある。国内小売業の逆襲で、アマゾンの今後の成長にも不透明感が出てきたかもしれない。