サムスン電子の社運を懸けた
折り畳み型スマホが発売延期
2016年、韓国サムスン電子は、スマートフォン、“ギャラクシーノート7”の発火問題で技術的な問題を露呈した。それ以降、同社は急速な顧客離れに直面し、かつての成功のイメージが薄れつつあった。その後、同社は中国の半導体需要などを取り込み、業績を立て直した。
今回、同社は起死回生を狙い、折り畳み型のスマートフォンである“ギャラクシー・フォールド”の開発を進めた。この新機種は、値段が約20万円と高価格帯の新製品だ。この新製品がヒットすれば収益への貢献はかなり大きい。サムスンにとって、ギャラクシー・フォールドの開発は将来を左右するほどのプロジェクトだったといえる。
ところが、サムスン電子の取り組みは早くも失敗の危機に瀕(ひん)している。むしろ、同社の基本的な技術力の問題が露呈してしまった。開発を急ぐあまり、技術力が追い付かなかったといえばそれまでだが、同社のモノづくりの姿勢には不安を禁じ得ない。この事態は、サムスン電子の経営風土に関連する「根本的な問題」と併せて考えるべきだろう。
いうまでもなく、サムスン電子は韓国最大・最強の企業だ。同社が経済に与える影響は非常に大きい。今回の新製品発売延期は、同社の業績に大きなマイナスとなるだけではなく、韓国経済にも無視できない不安要因になる可能性がある。
サムスン電子が抱える
技術力の問題
韓国サムスン電子が、4月26日に予定していた折り畳み型スマートフォンの発売を延期すると発表した。理由は、サムスンがレビュー用に配布した折り畳みスマホ“ギャラクシー・フォールド”に関して、利用者から、画面や折り畳み部分の不具合が複数報告されたからだ。