インターネット上に掲載されたレビューを見ると、有機EL画面の保護膜をはがしたところ、画面の半分以上が真っ暗になり、使えなくなってしまったことが報告されている。製品説明文では、“保護膜ははがさないように”と記されていたが、構造としては簡単にはがせるものだった。他にも、ヒンジ(折り畳み機構)部分の画面損傷や、保護膜をつけたままであるにもかかわらず画面にしわが寄る不具合などが報告されている。

 正直、「えっ!?、そんなこと信じられない」と思ってしまう事象が多い。さまざまな問題を指摘する投稿などを目にすると、サムスン電子製スマホを安心して使うことはできないだろう。発売延期は当然の判断だ。

 ヒンジ部分の損傷などが事前に認識されていなかったことは、根本的な技術力の稚拙さを露呈している。また、保護膜をはがすことを想定していないのであれば、はがせないようにすべきだ。これは、ブランド力を問う以前の、きわめて根本的かつ初歩的な問題だ。

 突き詰めて考えると、サムスン電子に関しては、企業としての在り方が問われている。サムスン電子はギャラクシー・フォールドの開発に8年もの時間を費やした。にもかかわらず、同社は、消費者の安全などを顧みず、自社の価値観だけに基づいて製品開発を進めてしまったとしか思えない。

 もし、“人が使う”ことが開発者や経営幹部の心中にあったなら、レビュアーの指摘よりも前に、自社内部で問題を検知し、対応ができたはずだ。ある知人エンジニアは、「企業としての基本姿勢が問われる。あまりにお粗末だ」と、サムスン電子の経営実態を深刻に受け止めていた。

韓国の財閥企業は
創業家利益を過度に追求

 ギャラクシー・フォールドに関して、レビュー直後から不具合が相次いで報告された背景には、韓国財閥企業に特有の問題が強く影響している。

 それは、財閥企業の創業家一族が、自らの利得を過度に追求したことだ。韓国の財閥企業では、世襲に基づく経営風土が守られ、経営者の“わがままさ”が放置された。それが、韓進や錦湖アシアナの経営を悪化させた。