というのは、4月20日から沿線の信楽町で「世界陶芸祭セラミックワールドしがらき’91」が開催されており、SKRはキャパを大幅に超えていたとされる。主催者の予想した来場者数が35万人だったのに対し、ゴールデンウィーク明けには50万人を超えていた。

 事故を巡っては、SKR側の駅長や運転主任ら3人が業務上過失致死傷などの罪に問われ執行猶予付きの有罪判決を受けた。対し、JR西日本の運転士らは遺族らが告訴・告発をしていたが不起訴となっていた。

 しかし、事故の根本的な問題はSKRの運転主任らに起因するというより、突貫作業的な工事を依頼した行政、それに応じたSKRとJR西日本に、対応できないにもかかわらず現場に無理強いしたような状況だったと批判された。

 福知山線、信楽高原鉄道の両事故とも、専門家の間では避けられた「ヒューマンエラー」とされている。

 ほかにも安全に対し問題提起した事故がある。2000年3月8日午前9時ごろに発生した「営団地下鉄日比谷線中目黒駅脱線事故」だ。

 現・東京メトロ日比谷線・北千住駅発菊名駅行きの車両最後尾が中目黒駅手前で脱線し、対向車両の側面と衝突し大破。5人が死亡、63人が重軽傷を負った。

 原因として車輪への重量不均衡、急カーブのガードレール不設置など複合的要因が挙げられた。そのため刑事事件としては、警視庁が「特定個人を訴追できない」として保線関係者5人を業務上過失致死傷の容疑で書類送検したものの、いずれも不起訴とされた。

新幹線では「事件」相次ぐ

 事故とは別に、新幹線では「事件」も相次いだ。

 93年8月23日午後8時25分ごろ、東海道新幹線の掛川駅(静岡県掛川市)付近を走行中の博多駅発東京駅行き「のぞみ24号」グリーン車で、奈良市の無職男(当時27)が食品卸会社支店長の男性(当時40)の左胸をサバイバルナイフで刺し、殺害した。

 男性は同僚と仕事の打ち合わせをしていたが、男が「考え事をしたいので静かにしてください」などと話したため、男性と同僚は会話をやめていたが、その後、いきなり男性をナイフで刺した。男からは覚醒剤反応が出たという。「新幹線車両内での殺人事件」は初だった。