日立製作所は2019年3月期、同社として初めて中期経営計画の利益目標(営業利益率8%)を達成するなど、ベンチマークにしてきた独シーメンスと同じステージに立つための足場を固めつつある。
西山光秋CFOは4月26日の決算説明会で「2期連続の過去最高益(営業利益ベース)を達成できた。次期中計の新たなステージに移る準備ができた」と述べた。
とりわけ、情報・通信システムや建機事業が好調だった。長らく日立の喉に刺さっていたとげを抜くこともできた。“とげ”とは、巨額損失の発生が懸念されていた英国での原子力発電所建設プロジェクトのことだ。
同プロジェクトを建設前に「凍結」したことで3000億円の特別損失を計上し、5900億円を見込んでいた当期利益の半分弱が吹き飛んだ。だが、泥沼化しかねなかった国策プロジェクトの損失を確定させたことで、20年3月期からの新中計の見通しが立てやすくなった。
日立は今後、重電のグローバル企業に肩を並べられる“目安”である二桁の営業利益率を目指す。
それを実現するための課題は大きく2つある。