賃上げ・物価上昇を阻害する真犯人は、なし崩し的な外国人労働者の増加
安倍首相は自身の経済政策の成果として、雇用の増加を繰り返し誇っているが、賃金の伸びは今もなお限定的だ。賃金の伸びを妨げるものとは何か(写真はイメージです) Photo:PIXTA

雇用の増加は必ずしも
賃金上昇につながっていない

 安倍首相は自身の経済政策の成果として、雇用の増加を繰り返し誇っている。しかし、今年の春闘でのベースアップ(定期昇給を除く)は、政府からの再三の賃上げ要請にもかかわらず前年比+0.6%にとどまるなど、賃金の伸びは今もなお限定的だ。

 確かに雇用は、安倍政権下で大きく増加している。労働力調査によると、雇用者数は2013年1月から2019年3月にかけて446万人増加している。民主党政権下の2009年9月から2012年12月までの間、雇用者数が20万人の増加にとどまったことを考えると、雇用を拡大させたのは安倍政権の大きな成果と言える。

 ただ、雇用の増加は必ずしも賃金上昇につながっていない。2013年1月から2019年3月にかけて雇用が最も増えた業種は医療・福祉(94万人増)で、雇用者増加全体のおおよそ20%を占める。ところが、2018年の毎月勤労統計によると、医療・福祉の給与は月間29.8万円と、全産業平均の32.4万円を下回っており、給与の伸びを見ても、医療・福祉の賃金は2013年の29.3万円からあまり増えていない。

 一方、全産業平均は31.4万円から増加した。高齢化を受けた需要の高まりから介護職の雇用は増えているものの、賃金は相対的に抑制されている。

 2013年1月から2019年3月にかけての雇用の増加を形態別に見ると、正規雇用が96万人増加したのに対し、非正規雇用は349万人も増加している。この間、労働参加率が最も上昇したのは55-64歳の女性である。子育てを終えた専業主婦が、パートとして労働市場に参入したと推察され、雇用の強い伸びに対して賃金の伸びが限定的な一因となっている。