全員経営者マインドセット
吉田行宏さんの著書『全員経営者マインドセット』。「MSマトリクス」について詳しくはこちらで解説している

 特筆すべきは、「マインドセット」の100%のラインを超えている社員が他に比べて多いということだ。詳しい説明は別の機会になるが、物事を他責にせず、当事者意識100%で取り組む社員が多くいる組織は大変強い。リーダーはこれからも成長を続け、また、まだ「スキル」の低い社員たちの成長をサポートすることもできる。

 反対に、一番注意が必要なのは、Bの組織である。「マインドセット」が高いゾーンにいるのは、新卒社員などの意欲はあるが「スキル」が未熟な社員たちだけだ。このような場合、「スキル」の高い社員が多くを占めるため、一時的に会社としての事業成果は見込めるかもしれないが、「マインドセット」が低いのは気になるところだ。前回の記事にも書いたが、どれほど素晴らしい「スキル」があってもマインドが伴わず、それを発揮できなければスキルはないに等しいといえる。

 また、「スキル」の高い人は、その能力で周囲から一目置かれている場合が多く、本人も自分に自信があり、さらなるスキルアップへの関心も高い。一方、「マインドセット」の低さが示すのは、仕事に対する当事者意識の低さ、組織に対する関心の低さだ。このゾーンの人は、自分にとって好条件の会社があると簡単に辞めてしまうケースも多くある。

 最後のCは、Aのようにマトリクスの右上に人材が集まる組織を目指し、いま成長の途中というところだろう。「スキル」は低くても「マインドセット」が高く、エネルギーを持って仕事に取り組んでくれる。こうした社員たちを大事に育てていくことも、会社(組織)に求められる役割ではないだろうか。

 では、どのようにして社員の「マインドセット」を上げていけばいいのか。その具体的な方法は第3回でお伝えしていこうと思う。

(アイランドクレア代表取締役 吉田行宏)