リクルートホールディングスPhoto:DOL

『週刊ダイヤモンド』5月11日号の第1特集は「人事大激変~あなたの評価、給料が危ない~」です。いま、人事の領域に科学的手法を取り入れる最先端人事部が激増しています。評価・給料の決め手が公平で客観的なものになればなるほど、働き手にも「生産性アップ」という覚悟を強いることになります。(本記事は特集からの抜粋です)

 人事のプロや経営者の間で「掛け値なしにすごい!」と評判のチームビルディング理論がある。

 FFS(Five Factors & Stress)理論は、個性を決定する「五つの因子」と「ストレスの強弱」をスコア化することで人と人との相性を測定し、生産性を上げる最適チームを編成する際の土台とする考え方だ。リクルートやホンダの研究所など大手企業を中心に800社以上の利用実績がある。

 その中でも、この理論を深く理解し、採用から育成、組織の活性化に至るまで、あらゆる人事領域に科学的手法を持ち込んでいるのが、ネット広告のセプテーニ・ホールディングスだ。

 きっかけは、米メジャーリーグの弱小球団が統計データ分析で常勝球団へ生まれ変わる過程を描いたノンフィクション『マネー・ボール』(2003年)だ。当時の社長が、科学的手法を人事にも生かせないかと考えた。