「この部署、私に合わない……」配属部署が自分の性格や能力とうまく合わず、転職を考える人も少なくない。だが、そもそも人と部署のマッチングをテクノロジーの活用によって行えるとしたらどうだろうか?リクルート住まいカンパニーでは、人を分析する「ピープルアナリティクス」を用いた社員の配属を2018年入社の新入社員から実際に行った。その真価はいかに。(聞き手/ライター 相馬留美)
従業員や組織を対象とする分析手法を「ピープルアナリティクス」と呼び、人事や採用に生かす試みが盛んになりつつある。
リクルートホールディングスでは、ピープルアナリティクスを用いていくつかの施策に取り組んでいた。そのうちの一つとして、今年4月、リクルート住まいカンパニーでは、ピープルアナリティクスを活用した新人の配属マッチングシステムを開発し、実際に新人の配属を行ったのだという。
開発したのは株式会社リクルート人事統括室人事戦略部の高橋俊樹さん(「高」の文字は正式には“はしご高”)と同部のデータエンジニアリンググループに所属する西村隆宏さんの二人で、高橋さんはリクルート住まいカンパニーの、西村さんはリクルートホールディングスの2015年入社の新卒社員だ(現在は2人とも、2019年4月からのリクルートホールディングスの採用を統括して行う株式会社リクルートに転籍)。
「新卒からずっと人事を担当してきたが、採用・育成業務のバリューチェーンの中で、新人が活躍するために配属がうまくマッチしないとその人のポテンシャルが生かせないという思いがあった」と言う高橋さん。こうした思いから、データ分析による配属マッチングを思いついたわけである。
ただし、どのデータを使えばうまくマッチングができるのか、前例が全くないため手探りのスタートとなった。
活躍予測には性別・学歴は一切関係なし!?
有効なデータは○○と○○だった!
まず、行動のログといっても、新卒採用の場合、履歴書や入社試験、適性検査「SPI」やヒューマンロジック研究所のストレスと人と人の関係性が見られる検査「FFS」のデータがあるのみだ。これを、現在活躍している社員のデータとうまく組み合わせてみて、活躍予測を立てることになる。