「これも、お客さま、販売店、仕入れ先、そして従業員など、全ての人たちが(創立から)80年にわたり、コツコツと積み上げてきた結果だと思います。トヨタをお支えいただいたことに感謝申し上げたい」
豊田章男・トヨタ自動車社長も、さすがに少し感慨深げだった。5月8日、2019年3月期のトヨタの売上高が、日本企業で初めて30兆円を突破したと発表できたのだから当然だ。
しかも今年は、豊田氏が同社の社長に就任して10年目という節目の年である。
売上高のみならず、営業利益も、新型のクラウンやレクサス「LS」といった利益率の高い高級車の販売増加などによって前期比2.8%増と堅調に推移した。18年に新車の販売台数が前年比2.8%減と、天安門事件翌年の1990年以来28年ぶりに前年割れした中国でも、ライバルの苦戦を尻目に好調に収益を伸ばしている。