腹が立つ心理の裏には
日常生活の我慢が潜んでいることも

 他人だけでなく、“自分”をわかってあげることも重要だ。

「道を譲らない人に腹が立ったときは、『何で自分はこんなことに腹が立っているんだろう…』『最近、我慢していることが多いのかな?』と考えるようにしましょう。そうすれば、自分にこそ“人に道を譲らせたい”という欲求があることに気付くはずです。道を譲る・譲らないでけんかになれば、もっと嫌な気持ちになるし、万が一それでトラブルにでもなったら割に合いません。自分から道をちょっと譲るだけで、そうしたリスクを回避することもできますからね」

 いやいや、そうは言っても、やっぱり道を譲るのは悔しいぞ!という読者もいるかもしれない。そこで平氏に、相手に道を譲らせるご法度の心理学テクニックも教えてもらった。

「人は誰しも、近づかれたら不快に思うパーソナルスペースがありますが、そういった意味で日本人の空間認識力は世界で一番優れているといわれています。たとえば渋谷のスクランブル交差点は、あれだけの人が往来しているにもかかわらずほとんど誰もぶつからない。あの光景に海外の人は驚くそうです。それを踏まえて、『僕は敵じゃないよ。わかってくれるよね、避けてくれるよね』のスタンスで黙って立っていれば、自然と周りはその人を避けていくと思います」

 空間認識力に長けた日本人が、道を譲る・譲らないで対立するのが、そもそも不思議な話なのだ。向こうから迫ってくる人が本当に敵なのかどうか、いま一度自問してみよう。