――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」 ***   米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げしない最大の理由は物価上昇率の低迷だが、この理由を米中貿易摩擦が吹き飛ばそうとしている。  先月の物価上昇率は勢いに欠けた。労働省が10日発表した4月の消費者物価指数(CPI)の伸び率は前月比0.3%で、前年同月比では2%台に乗せた。価格変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアのCPIは前月比0.1%、前年同月に比べると2.1%、それぞれ上昇した。  労働省のCPIは、FRBが重視する商務省発表の個人消費支出(PCE)価格指数より低い傾向にある。