「米国第一主義」を掲げるドナルド・トランプ大統領の外交政策は、四方面で同時進行する難題に直面している。米政権は複数の危機に対応しつつ野心的な政策を実行しなければならず、その舵取りは途方もない試練にさらされている。アジアでは、中国が対米貿易協議の条件を巡る再交渉を模索している。北朝鮮は非核化交渉が暗礁に乗り上げる中、短距離ミサイルの発射実験を再開した。中東ではイランが核開発プログラムを拡大する構えを見せている上、米情報当局が明らかにしたところでは、イランは米軍に対する攻撃準備にかかっている。中南米のベネズエラでは、米国が支持する政権転覆の試みがロシアやキューバの支援で阻止された。米政権が直面する一連の難題を象徴するかのように、マイク・ポンペオ米国務長官は9日、閣僚会議に出席するため外交訪問を切り上げ、急きょワシントンへ戻った。会議にはパトリック・シャナハン国防長官代行とジョー・ダンフォード統合参謀本部議長も出席した。