だがその過程では、陣営によって子会社化まで目指した買収なのか、資本提携なのか、それとも業務提携なのかなど、支援姿勢にかなりの濃淡があった。というのも、創業家が大株主となっていてネックになっていたからだ。

 昨年9月末時点で、創業家の関係会社や団体がスルガ銀行の15%ほどの株式を保有しており、創業家が実質的に大きな影響力を持っている。その影響力は融資にも及び、創業家関連の会社への融資は約488億円、そのうちの約69億円が創業家個人に流れていた。

 問題発覚後、スルガ銀行は経営陣を入れ替え、昨年11月末に業務改善計画を公表、その中で「創業家一族企業に株式売却と融資の全額回収を進め、創業家との資本関係を解消する」としていたが、4月12日の業務停止命令を解除された際にも、「解消に向けて取り組む」と述べるにとどまっている。

創業家が全株の売却を
検討しているもよう

 ところがである。ここにきて、創業家に変化があったというのだ。

 複数の関係者によると、「創業家サイドの事情で、保有している全株式を売却しようとしている」という。

「創業家は、影響力を残そうとは考えていないようで、支援先候補に全株式の売却を打診しているとの情報がある。創業家は、少しでも高く買ってくれる支援先にしてほしいと考えていたようだ」(関係者)

 スルガ銀行の5月13日時点の時価総額は約1086億円。全株を売却するとなれば約163億円になる計算だ。