女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」のオーナー向け融資で審査書類の改ざん疑惑などが浮上して経営不振に陥っていたスルガ銀行が外部からの支援を仰ぐことになり、現在、支援企業の選定作業が最終局面を迎えている。5月15日の決算発表までには決定すると見られているが、土壇場になって金融庁の思惑も絡まり、最後まで予断を許さない状況だ。(ダイヤモンド編集部編集委員 田島靖久)
スポンサー企業選定が大詰め
りそなは業務提携にこだわり離脱
スルガ銀行をめぐっては、2018年2月、審査書類を改ざんして「かぼちゃの馬車」のオーナーへ融資した不正が浮上し、第三者委員会が不正を「組織的」と認定したほか、猛烈なノルマ営業やパワーハラスメント被害、そして創業家の関連企業への不適切融資や反社会的勢力との取引などが次々に浮上。10月に、金融庁が一部業務停止命令を出していた。
スルガ銀行は、停止命令が4月12日に終了したことを受けて、5月下旬からの業務再開を目指していたが、経営再建に当たって信用補完が必要だと判断、スポンサー企業からの支援を仰ぐことにした。
当初、りそなホールディングスと優先的に交渉を進めていたが、りそな側が資本提携まで踏み込まず、あくまで業務提携にこだわった。「不動産向け融資が、どの程度不良債権化しているのか不透明で、及び腰になった」(金融関係者)ためだ。加えて、「りそな自身の、施工不良が見つかった賃貸アパート大手、レオパレス21向けの融資の多さが問題視された」とも言われ交渉が頓挫、スルガ銀行は交渉先を拡大させた。