米連邦最高裁の審理で負けるのに最高の時機など決してないが、アップルにとってはこれ以上ないほど最悪のタイミングとなった。米最高裁は13日、消費者がアップルを相手取って反トラスト法(米独占禁止法)に基づく集団訴訟を起こしていた問題で、訴訟を進めることは可能との判断を下した。訴訟は実質的にアプリ配信サイト「アップストア」のビジネスモデルに異議を唱えるものだ。アップルはアップストアを通じて販売される同社端末向けアプリや定額制サービスについて、売上高の15〜30%の手数料を課している。対中貿易摩擦が悪化し、ほぼ全ての製品を中国で製造しているアップルへの脅威が高まる中で最高裁の判断が下った格好だ。アップル株はこの日、5.8%安で取引を終えた。株価はすでに先週、米中貿易協議の難航を受けて週間で7%下落していた。わずか1週間でアップルの時価総額は1200億ドル(約13兆円)以上吹き飛んだ。喪失額はS&P500種の9割の企業の時価総額より大きい。