万一、野党が反対するなら、そのときこそ解散総選挙に打って出るといい。しかし、野党は消費税率引き上げ延期に反対しないだろう。すなわち、引き上げ延期の場合、消費税は総選挙をやるだけの争点にならない。

 この場合、野党は、「アベノミクスの失敗」を喧伝するだろうが、本件については首相が「消費増税の延期は、私、安倍が決めた政策であり、つまりはアベノミクスの一部なのですよ」とにこやかに説明するといい。国民は、政治家として誰が実際に役に立っているのかを、よく見ている。消費増税の再々延期を、安倍政権の適切な政策として評価するだろう。

「合わせ技一本」でリーマン級

 現在の経済は、レトリックなしの比較の問題として「リーマンショック級」に悪い状態ではない。特に、米国の経済は、中国との関税引き上げ合戦の影響を当面は吸収して、様子を見る時間がトランプ氏に与えられるくらいの好調を保っている。ただし、インフレ目標の達成に政府・日銀が苦戦している中で、景気が悪化しつつあるのだから、わが国の経済にとっては今が困った事態であることは間違いない。

 柔道のルールで「技あり」二つで「一本」となる「合わせ技一本」のような感覚で、「リーマン級の問題だ」と判断して消費増税延期を決断するといい。

「景気悪化」「米中貿易摩擦」「株価下落」などのマイナス材料を評価して(旧ルールだと「技あり」「効果」「有効」くらいか。それでも合計「一本」には足りないが……)、「リーマンショック級の事態を招かないために、消費税率の引き上げ延期を決断する」と言えばいいだろう。全ての理由と責任は「首相の決断」でいい。