ラジオを通じて、引きこもり経験者や一般の関心のある人たち、学校の現職教師なども参加するようになった。一方で、知人や身内からも「お母さんがそうやって外に出るから、子どもがいつまでも家にいるんじゃないか」と責められる。

 そういう周りの空気があるから、本人も家族も助けてと声を挙げにくくなり、身動きができなくなる。だからこそ家族が率先して、こうした「甘えてる」「頑張っていないだけ」といった価値観と闘っていかなければいけない。

助けるのではない
「1人の人間」として扱う

 後藤さんはこれから北上に、人や資源とつながるきっかけとなる居場所をつくるため、市の福祉課や社協と定期的に話し合いをしている。

「行政の引きこもり支援は、全部一緒。引きこもりの人たちはみんなが助けを必要としているわけでもなく、助けてもらいたいわけでもない。1人の人間として扱ってもらえればそれでいい。支援と言って、引きこもり行為を1つにくくらないでほしい」

 世間では「引きこもり」というとみんなが「家から出られない」「親と話ができない」などと一律に思われている。でも、実は一人ひとりが個性的で、できることも生き方も人によってみんな違う。

「それぞれの当事者たちの能力を活かし、家にいて仕事ができなくても、高齢者でも子どもでも誰でも参加できて、役割や仕事を望んでいる人と人材を必要としている社会がつながれるプラットホームを、地域につくりたいと思っているんです」

 後藤さんは、そんな地域を一緒に考えていくためのネットワークづくりを呼びかけている。また、そんな日々の活動について、次男から「自分のことを説明する手間が省けるから」と発信するよう勧められたのを契機に、ブログ「社会的ひきこもりのち晴れ」も綴っている。

 次回のラジオ放送は、5月24日(金)午前9時から。再放送は、翌25日(土)。6月の第4金曜日には、北上市長がゲストで出演する予定だという。

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 なお、毎日、当事者の方を中心に数多くのメールを頂いています。本業の合間に返信させて頂くことが難しい状況になっておりますが、メールにはすべて目を通させて頂いています。また、いきなり記事の感想を書かれる方もいらっしゃるのですが、どの記事を読んでの感想なのか、タイトルも明記してくださると助かります。

(ジャーナリスト 池上正樹)