自分が感じる魅力を素直に発信し
地域の自己肯定感を高めたい

――これからは、ゲストハウス以外の用途にも古民家を使っていくのでしょうか。

豊原 ゲストハウスの中でも志高庵の運営は、和歌山大学の学生と連携して行う社会実験という側面があります。ですから、学生が企画するイベントの場として活用してもいいし、貸しスペースにしてもいいし、昔の暮らしが体験できるプログラムを実施してもいい。

志高庵の囲炉裏で鍋を囲む

 循環型社会に対して高い意識を持つ欧米の富裕層は少なくないし、日本建築や里山文化に興味を持つ外国人も多いので、彼らに対し、古民家というスペースそのものが観光スポットとして成り立ちます。たとえば、トタン被せの古民家をかやぶき屋根に戻したり、内部をリノベーションしたりするプロセスそのものをワークショップとして公開すれば、きっと人気を集めると思います。

 なにしろ、和歌山には古民家が山ほど残っているから。活用するアイデアはいくらでもあるので、お金さえあれば全部買い取りたいくらいです(笑)。

――これからも様々なアイデアで、地域活性化が進みそうですね。

豊原 実は私自身、「地域活性化」は考えていません。ただ地方の魅力にとりつかれた人間として、自分が信じる和歌山の魅力を発信し続けるだけ。そのことで、地元の方々がふるさとの魅力を再確認し、自己肯定感がもっと上がればいいな、とは思っています。「和歌山なんて何にもない」と思っている地元の方々は多いですから。

 自分の感覚を大切にして、それに共感してくれる人に向けて、価値を提供し続けていきたいと思います。