現代金融理論(MMT)は、極論すれば政府の赤字は問題ではないとするものだ。ただ米国では依然として、主にエコノミストや左派の民主党議員らが議論している異端の経済理論にすぎない。だが日本では、MMTは政策論争の中心にある。その論争の結果は、赤字削減に向けた消費税引き上げを10月1日に実施するか否かを左右する。自民党議員を中心とする一部の議員は、インフレ率が1%に満たないことを理由に増税が必要ないと主張している。MMTは、増税が必要なのはインフレが制御できなくなった時だけであることを示唆している。多額の財政赤字を悪だとする主流の経済理論を掲げて8%から10%への増税を推し進めてきた日本の財務省は、MMTを批判している。
米国で異端のMMT、日本はすでに実験済み?
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