しぼむ銀行ATM
設置・維持コストが社会問題に

 東急によると、現時点では手数料などによる収益化を目的としたものではなく、ATMが設置されていない駅、あるいは設置箇所が限られている駅におけるサービス向上策の位置付けだというが、長期的な問題意識としてATMの設置・維持コストの負担が社会問題となる中で、銀行と鉄道会社にとってウィンウィンなサービスの在り方を模索した結果でもあったようだ。

 国内のATM網は今、大きな岐路に立たされている。現在、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行のメガバンク3行のATM設置台数は合計で約2万台にもなるが、キャッシュレス化の進展でATMの利用は減っている。

 2017年12月24日の日本経済新聞によると「ATM1台の価格は300万円ほど。それに警備費や監視システムだけで1台に毎月約30万円の費用がかかる」といい、ATMの管理・維持コストで年間7600億円程度、さらに現金輸送や現金の取り扱い事務の人件費などを考慮すると、日本の金融界で2兆円もの現金取り扱いコストがかかっているとの試算もある。

 こうした流れを受けて、三菱UFJ銀行は昨年11月、店舗以外の場所にあるATMを三井住友銀行と共同化する方針を表明。中小銀行の中には自前のATMを廃止して、コンビニATMに置き換える動きも出始めている。

 その中で一人気を吐くのはコンビニATMだ。2001年にATMサービス事業を中心とする新たな銀行として創業したセブン銀行は、メガバンク3行の合計を上回る2万5000台を全国に展開している。

 圧倒的なATM網を維持できる秘訣は、消費者向けのキャッシュアウトサービスと両輪をなす法人向けの「売上金入金サービス」にあるそうだ。通常のATMは圧倒的に出金の方が多く、現金を補充しないと払い出せる紙幣がなくなってしまう。ところがセブン銀行ATMには定期的に売上金が入金されるため、補充は月1回ほどで十分だという。