東京五輪の選手宿舎が販売開始
なぜ「買いづらい」のか
2020年の東京五輪・パラリンピックの選手宿舎「晴海フラッグ」(HARUMI FLAG)の販売が始まった。特定のエリアにおける未曾有の民間大量分譲なので、市場に与えるインパクトは史上最大級になる。以前、当連載でも「『お買い得マンション』が五輪後にかつてないほど増えそうな理由」というタイトルで、この物件について説明した。
その論旨は、誰もが購入可能性がある「払い下げのお買い得マンション」が大量に出てくる可能性が大きいというものだった。しかし、発表された内容はかなり違う話になってきている。これから述べるのはその後日談である。
販売開始早々、メディアから数々の取材依頼がある。大量供給ということは事業予算がある。だから、広告費も未曾有の金額になる。予算があるから集客はできるので、来場者や予約者だけで数万人になることは時間の問題だ。この物件の最大の特徴は、日本人のすべてが知っている有名な物件であることだ。しかし、その評判は両刃の剣でもある。
なぜなら、買いづらい理由がいくつもあるからだ。その理由は次の通りである。
(1)交通アクセスが悪い
(2)価格が高い
(3)入居までが長い
(4)立地が悪い
(5)特徴がない
順番に見ていこう。