米国がファーウェイに課した制裁は、従来とは別次元の厳しいもの。日本企業にも影響は及びそうだPhoto:UPI/AFLO Fusako Asashima

米中の技術覇権争いは別次元に突入した。米政府が、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)への輸出などを禁止したのだ。民間の取引から同社を排除する“鉄拳制裁”の巻き添えを食う日本企業も出てきそうだ。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文、新井美江子、土本匡孝)

従来とは異次元の厳しさ

 米国は、ファーウェイ攻撃の手を緩めるつもりはないらしい。5月15日、ファーウェイなど中国企業を想定した制裁を新たに発表したのだ。

 かねて米国はファーウェイが「通信機器を悪用してスパイ行為をしている」と主張してきたものの、ファーウェイを米国の政府調達から締め出すレベルにとどまり、制裁の対象は限定的ではあった。

 そのためか、米国は同盟国ら諸外国にもファーウェイ製品を通信ネットワークに使用しないよう求めてきたが、英国やドイツが同社製品の導入を容認するなど足並みはそろわなかった。

 だが、今回の制裁措置は次元が違う。制裁の対象を、ファーウェイと企業との民間取引にも拡大。米国は企業に取引停止を迫ることで、グローバルに広がるファーウェイのサプライチェーンを断ち切る強硬手段に出たのだ。

 そして、新たな制裁措置はファーウェイの息の根を止めかねないだけではなく、日系企業にも多大なインパクトを与えるものだ。