嫉妬心がライバルとの切磋琢磨を生むことも…嫉妬心がライバルとの切磋琢磨を生むことも…(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「ジェラシー」や「嫉妬」というと、ネガティブな感情に聞こえるが、実はこれらがビジネスにはプラスな作用をもたらしているのではないだろうか。そこで、さまざまなビジネスパーソンに話を聞き、仕事において「嫉妬心」が必要かどうか、実際の体験を題材に考えてみた。(取材・文/フリーライター 有井太郎)

嫉妬心が切磋琢磨を生む
向上するきっかけに

「あの人がうらやましい」「自分もあんなことをしたい」。そんな“嫉妬”や“ジェラシー”の感情は、誰もが抱いた経験があるだろう。恋愛でも私生活でも、人間が生きる上で間違いなく経験する感情といえる。

 仕事においても同様だ。同期の社員に対して、あるいは後輩に対して、さらには、他社に勤める同年代のビジネスパーソンに対して。何かの際に嫉妬心を抱いた経験はあるのではないだろうか。

 では、このような嫉妬心はビジネスにどんな影響をもたらすのか。メリットもあれば、デメリットにつながるケースもあるかもしれない。

 そこで、さまざまなビジネスパーソンに話を聞き、ビジネスに嫉妬心は必要なのか否か、その意義を考えてみたい。

 今回、幅広い年齢層のビジネスパーソンに「仕事において嫉妬心は必要か」を聞いたところ、多くの人が「必要」だと答えた。これについては、読者の方もおおむね同じ感覚かもしれない。

 では、どのような経験から嫉妬心の必要性を感じるのだろうか。通信系企業で営業を務めるKさん(40代男性)は、若い頃のこんなエピソードを話す。

「嫉妬心があるから、切磋琢磨が生まれますよね。私たちの企業は毎年60人近く新入社員が入るのですが、全員の成績や、数字には現れない新入社員のトピックを細かく共有するシステムが構築されています。入社3年目頃までは、いつも活躍している同期社員の動向を見ながら、自分も『負けたくない』と思っていましたよ」