「あえて、やることを選ぶっていうことで。尻込みしないでやっていこうと!」

伊藤 「ちゃん」、なんだか不思議な感じもしますが、ファンの方の声援はなんといってもうれしいですね、やっぱり。

石黒 当時は、蘭さんご存じのように、名前呼びかけパターン以外にいろんなコールのバリエーションをやってましたが、たとえば「C・A・N・D・I・E・S・Hey!」っていうのは当然できないので(笑)、「I・T・O・R・A・N・Hey!」とかどうかなって思ったんですが。1拍足りないんですよ。7拍になってしまって。

伊藤 あははは! 1個足りない! 面白いですねー!

石黒 Hey!の前に何かいるんですよ。だから、ライブまでに1拍分足すのを考えておきます。

伊藤 ぜひ!(笑) ところでそういうのは、集まって練習してたんですか?

石黒 当時はやってました。「金沢市観光会館会議室」とかに全キャン連北陸支部員が集まって。新聞が出ると、中央(注:東京の全キャン連)からコール表の「ガリ版」が回ってきて。

伊藤 ガリ版! あはは!(周りのスタッフ一同爆笑)

石黒 それ見ながらカセットテープ流してみんなで真剣に大声で「ランちゃーん!」とか叫んで……。ビデオがなかったので、公開録画見てコールを耳コピで覚えたり。日本中でやってたと思いますよ。

伊藤 すごいですね。当時、いつも大歓声をいただいて感激してたわけですが、私たちの知らないところで、全国でファンの皆さんがそうやって、応援の練習をしてくれてたなんて。そして今でもそんな人たちに歌を聴いていただいてると思うと、本当に今回決心してよかったなと思います。

石黒 当時のファンのみならず、世の中全般に、その思いが届いてほしいです。「えーっ! ランちゃん……いえ、伊藤 蘭さん、41年経ってもやる気になるんだ」って、ミドルエイジの生き方の後押しになるんじゃないかってつくづく思うんですよ。

伊藤 1年前に声がかかって、さすがに、どうしようか逡巡はありました。でも、こういう年代になるとどうしても、やらない方に、とか、身も心も重くなるじゃないですか。でも、そういう時こそ、あえて、やる方を選ぶっていうことで、これからしばらくはまだ元気でいられる、と自分自身に言い聞かせるようなことにもなりますし。ここは、尻込みしないでやっていこうと!

石黒 そんな骨太の蘭さんの言葉は、ミドルエイジに限ったことではなく、若い人にも届いていくと思いますよ。YouTubeでキャンディーズを知ってファンになっていく若い人、特に女性の数がかなりいるんですよ。

伊藤 本人としては実感ないのですが、うれしいですね。青春の5年間、3人と周りの多くのスタッフの方々と形に残してきた歌とかライブの足跡が、こうして今でも多くの方に喜んでいただいてることは、ミキさん、天国にいるスーさんと、3人の宝物です。