夜尿症は保険診療でも治療できる
夜尿症は保険診療で対応できる治療法もある(写真はイメージです) Photo:PIXTA

あまり知られていないが、5月28日は「世界夜尿症デー」だ。2015年に子どもの失禁に関する国際小児尿禁制学会と欧州小児泌尿器科学会議が制定したもので、5歳を過ぎても続くおねしょ、「夜尿症」は治療できる病気であること、育て方や心理的な問題ではないことを啓発する目的で定められた。(医学ライター 井手ゆきえ)

「また!この子は、小学生にもなって!だから寝る前にトイレに行けっていったじゃない!」──。

 朝からシーツや布団を隠そうとする子どもをにらみ、つい怒鳴ってしまう親は少なくない。失敗をしたくて布団を汚しているのではないと頭では分かっているけれど、イライラしてしまう。その背後には、子どもの成長や子育てに対する不安もあるのだろうが、親への申し訳なさ、自分のふがいなさに子どもたちは小さく縮こまってしまう。

 実は5歳を超えて1ヵ月に1回以上のおねしょが3ヵ月以上続く場合は、睡眠―覚醒リズムや排せつ機能ができあがる過程で発生する乳幼児の「おねしょ」ではなく、「夜尿症」という病気である可能性が高い。

原因は睡眠中の尿量増加と
膀胱の容量、そして睡眠の質

 日本夜尿症学会編「夜尿症診療ガイドライン(2016)」によると、夜尿症に悩む子どもの比率は5歳時点で20%ほど。その後年間に10~15%の割合で自然に改善されていくが、就学時点でもおよそ1割、10歳を超えても5%前後にみられる。

 中学時代を経て有病率は徐々に減っていく一方、高校入学の時点でも1~3%が依然として悩みを抱えているとされ、修学旅行や合宿などの学校行事に支障が出ることもある。恥ずかしさや罪悪感から人とのコミュニケーションを避けるようになり、自己肯定感や心身の成長に影響することは想像に難くない。

 夜尿症には次の3つが関係しているといわれている。(1)夜間多尿、(2)膀排尿筋が過活動である、(3)睡眠の質だ。