清掃中のコンビニ写真はイメージです Photo:PIXTA

『週刊ダイヤモンド』6月1日号の第1特集は「コンビニ地獄」です。24時間営業問題に対処すべく、コンビニ大手は深夜営業を行わない時短実験を開始。加盟店の負担軽減策を打ち出しました。ですが、本部の行動を追うと、問題を見直したいという気概は伝わってきません。とりわけ、業界最大手のセブン-イレブン・ジャパンは、加盟店のオーナーからの時短営業をしたいという要望を組織的に握りつぶす、“時短潰し”が行われていることが、本誌の取材で明らかになりました。(本記事は特集からの一部抜粋です)

 「開いててよかった」――。かつてテレビCMなどで盛んに流れていた、セブン-イレブン・ジャパン(SEJ)のキャッチコピーである。

 24時間365日営業の利点をアピールするこのキャッチコピーは、2009年に「近くて便利」に変わった。24時間営業がコンビニ業界に定着し、競合との差別化要素にならなくなったからだ。

「開いてて当たり前」。これが業界の常識であり、加盟店のオーナーも望むと望まざるとにかかわらず従ってきた。ところが、この業界の常識である24時間営業に反旗を翻すオーナーが現れた。

 今年2月、大阪府東大阪市でセブン-イレブン東大阪南上小阪店を営む松本実敏さんが、人手不足のために24時間営業を自主的に取りやめて深夜に閉店。すると、SEJは契約違反であるとして、約1700万円の違約金の支払いを求めたというのだ。