しかも日本のアレルギー医療は、世界にだいぶ後れを取っているという。

「日本の医療界は内向きで、世界のレベルを見ていないように思います。国際学会にもあまり参加しないし、海外に出ようとする若い人たちへの支援も少ない。

 僕は、佐藤先生に背中を押していただき、大学病院時代から国際学会へ行かせてもらい、世界中の仲間とつながることができました。だから今、若い人たちが世界を知り、世界水準の視点を持って成長していけるような道筋を作る努力をしています。うちの若手は日本一、腕は世界レベルです」

 そう言って、若手の論文が掲載された印刷物を見せてくれた表情は、誇らしげだった。恩師に後押しされ、患者に学び、アレルギーの謎を解き明かす道を切り開いてきた谷口先生。熱い思いと真摯(しんし)な姿勢は、後進にしっかりと受け継がれていくだろう。

◎谷口正実(たにぐち・まさみ)
国立病院機構 相模原病院 アレルギー科・呼吸器内科/臨床研究センター長。1981年、浜松医科大学卒業。88年、藤枝市立総合病院呼吸器内科医。94年、藤田保健衛生大学(現・藤田医科大学)呼吸器アレルギー内科講師。97年、米国バンダービルト大学肺研究センター研究員。99年より、国立相模原病院に赴任。アレルギー科医長・気管支喘息研究室長、同内科系統合診療部長、同臨床研究センター病態総合研究部部長を経て、2014年より現職。現在、谷口医師の初診受け付けは行っていない。セカンドオピニオン外来の受診は可能。