ただ、いくら陰謀論者が疑っても、このタイミングでの増税延期はあり得ないでしょう。過去の増税延期のケースでは、どちらも決断は増税時期の11ヵ月前に下されました。直前に増税を撤回すると経済が大混乱するため、一定の猶予期間が必要なのです。それを考慮すると、昨年12月に決断がなかった段階で、今年10月の増税はすでに決定路線だということになります。

 とはいえ、この一連の事実によって「消費増税に絡んだ何らかの陰謀は本当にないのか」といえば、そうとも言い切れません。どういうシナリオの陰謀かはともかく、政治家にとっては選挙が最大の関心事であり、増税は選挙に影響を与えるものなので、消費税に対する政治家の働きかけは必ず存在するわけです。

予想外に好調だった1-3月期GDP
「行政の陰謀」など本当にあるのか

 ここで話を、今回発表されたGDP速報に戻します。世の中の予想に反して、実質経済成長率は年率2.1%と非常に堅調でした。実はその中身を見ると、カラクリというか、「何かあるんじゃないか」と疑われても仕方ないような特殊事情があるのです。

 特殊事情とは、今回発表された経済成長率の数字が押し上げられた理由です。大きな要因が2つあって、1つはなぜか輸入が大きく減ったこと。石油や天然ガスなどのエネルギーの輸入抑制が大きく寄与したという説があるのですが、とにかく1~3月の3ヵ月間、輸入が輸出を上回る減少幅となったことから、外需寄与度がプラス寄与となり、数字上はGDPが大きく上昇して見えたというのです。そしてもう1つが公共投資で、こちらも予算通り1~3月に公共工事をたくさんこなしたことでGDPが増えました。

 つまり陰謀論的に言えば、「行政が手を打てる範囲で、一時的にGDPを押し上げた説」が出てくるわけです。財務省はなんとしても三度目の増税延期は回避したかったでしょうし、今年7月下旬に投票が行われる参議院議員選挙を考えると、選挙戦に影響があるこの1~3月のGDPの数字が堅調なら、政治家からの批判は抑え込めるからです。実際に「押し上げ」などということができるのか、またできるとしてもどのようなやり方で行われたのか、一般人にはうかがいしれませんが、「当たらずとも遠からず」と考える人がいるのかもしれません。