米国の農業団体はドナルド・トランプ政権に対し、メキシコが報復関税を打ち出しかねないような措置を講じることに反対姿勢を示している。また、トランプ氏が発表した対メキシコ関税は、米国の穀物や食肉の主要市場向けの輸出をまたも妨げることになると警鐘を鳴らしている。全米豚肉生産者協議会(NPPC)のデービッド・ヘリング会長は、「米国の豚肉生産者は最大の輸出市場からの報復関税に堪えられない」としている。NPPCの推計によると、ここ1年にメキシコと中国の関税が米豚肉生産者にもたらした負担は25億ドル(約2700億円)に達した。米国とメキシコ、カナダが先日、関税の撤廃で合意し、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定の批准に取り組み始めたことで、米豚肉生産者の先行きに明るい兆しが出ていた。一方、中国でアフリカ豚コレラの感染が拡大し、豚肉の輸入需要が増加したことで豚肉価格は上昇している。