自治体のイクメンスクールや地域の子育て支援の活動に参加し、知り合った地域の子育て支援NPO団体に誘われて、転職を決意した。

 通勤や勤務時間が短くなり、1日約3時間、家にいる時間が増えた。大切にしているのは夜の「ながら夫婦の会話」。「何があった」という業務連絡だけではなく、その都度、自分の状況を相談する。

 浩久さんの給料はこれまでの3分の2に減ったが、付き合いの飲み会はなくなり、スーツ代もゼロ。休暇は県内のキャンプ場に足を運ぶようになった。

「副業などで工夫して、5年間で収入は元に戻す」と宏美さんに宣言している浩久さん。

 今は保育士の資格取得に向けて勉強中。その分、手が回らない家事は宏美さんが担う。「攻守交代」は柔軟にしていくつもりだ。

「できる方ができる範囲でやれば良い。2人とも同じレベルで家事も育児もできるので、心配ありません」

夫婦の役割「交代」した30代IT社員女性

「妻が稼ぎ、夫が家を守る」という選択をした夫婦もいる。

 東京都文京区で娘2人を育てる高浜久美子さん(31)はIT企業の総合職で、フルタイムで働く。

 代わりに自営業の直樹さん(31)が家事を9割担う。久美子さんは第3子を出産予定だ。

 直樹さんはもともと大手企業の営業職だった。成績も良く、年収1千万円も夢ではないと思われていた矢先、過労が原因で病気になり、退職。

 結婚を約束していた久美子さんは、無職になった直樹さんとの結婚に反対した父親を、「女が養うからいいんだよ!」と押し切った。