「女性の活躍推進」を成長戦略の1つとして掲げる安倍政権。2020年までに男性の育休取得率を13%に引き上げることを目標としている。男性の育休取得率は、「福祉先進国」と言われるスウェーデンやノルウェーでは80~90%に上る。それに対して6年後の目標が13%とは低くないか……と思ってしまうが、現在の日本において、男性の育休取得率はわずか1.89%(厚労省『雇用均等基本調査・平成24年度』より)。男性の育休取得には、まだ高い壁があると言わざるを得ない。そんな中、育休経験者の男性などを対象にしたあるアンケートが行われた。今回はこのアンケートを元に、育休を取得したからこそわかる育児休暇の良さと取得への障壁について考えたい。
アンケートは、ユーキャンが5月19日~25日に行ったもの。調査対象は全国に暮らす20~40代の男性497人。そのうち、育休経験者223人、現在育休取得中の人106人、未取得だが取得意向がある人84人、未取得で取得意向のない人84人。
育休取得経験者の8割以上
「また機会があれば育休を取得したい」
アンケートではまず、育休取得経験者に「また子どもが生まれたら、もう一度育休を取得したいか」を聞いた。結果は、「取得したい」が83.9%で、「取得したくない」(7.6%)、「わからない」(8.5%)を大きく上回った。
また、「男性が育休を取得することにどんなメリットがあると思いますか?」という問いについては、育休取得経験者と未取得者の傾向は似通っていた。両者ともに最も多かったのが、「子育てに関われる」(取得経験者78.7%、未取得者76.8%)だった。
ただ、「家族との時間が取れる」(同65.0%、同72.0%)、「子どもとの絆が深まる」(同57.4%、同66.7%)、「夫婦の絆が深まる」(同55.9%、同63.1%)については、「メリットがある」と答えた数が、経験者の方が未取得者よりも少なかった。経験者に言わせれば、「理想とは違う部分もある」ということだろうか。
取得経験者の方が「メリットがある」と答えた数が多かったのは、「効率的な時間の使い方に対する意識が上がる」(同22.2%、同16.7%)、「交友関係が広がる」(同11.6%、同7.7%)、「自分磨きの時間が取れる」(同10.9%、同6.5%)などだった。「効率的な時間の使い方」については、育休を取得した母親たちからもよく聞く話だ。子どもがいると、自分の時間は自分だけのものではなく、子どもに合わせなくてはいけなくなる場面も多々ある。少ない自分の時間をうまく使うために、効率的にならざるを得ないという。