――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」 ***  ノーベル経済学賞受賞者のポール・サミュエルソン氏の持論は「合理的な人々は事実が変わると考えを変える」というものだった。しかし金利に関しては、事実があまり変わっていないように見えるにもかかわらず、投資家は考えを大きく変えている。  過去1カ月間、米中の貿易交渉の状況悪化を受けて、投資資金は株式から国債へ流れ込んだ。昨年12月には3%前後だった10年物米国債の利回りは、最近2.1%を下回った。  これは、米連邦準備制度理事会(FRB)が早ければ7月にも積極的な利下げを開始すると、投資家が突然確信したためだ。