――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」 ***  ハイテク製品に必要不可欠で、一方の国が完全に支配する材料の供給が、米中貿易紛争の新たな火種になりつつある。双方とも、この不均衡を交渉の切り札とみている。  といっても、米国製マイクロチップと華為技術(ファーウェイ)のことではない。  中国は別のカードを持っている。磁石から戦闘機までさまざまな生産に使用されるレアアースメタル(希土類金属)だ。実のところ、ランタンやセリウムをはじめ、この17元素の多くはとりわけ希少ではない。しかし、その採掘と加工は著しい環境汚染を伴う。