経営×経理

 また、経理マネジャーの立場にある人は、日頃から部下たちが持ち合わせている潜在能力がどのようなものなのかを観察し、それらがさらに表出されるようなテーマなどを検討するべきです。

 経理部隊それぞれが当事者意識を持ち、このところのトレンドばかりに惑わされない研修テーマを選定することは、難易度が高いでしょうが、そこをクリアすれば機能性が大きく上がることは間違いないでしょう。

【ポイント3】
実践に生かせる
工夫を講じているか

 敏腕研修講師ですら、「研修内容を実務に生かすことなど難しい」と考える人は少なくありません。これは筆者の周囲にいる多くの講師も口にしますし、自分自身、企業現場で感じていることです。

 最も問題視したいのは、どんなに密度の高い研修内容でも、実践の場になると目の前のことに追われてしまい、講義の中で身に着けたことを活用するのを忘れてしまうことです。

 こうした事態を回避するため、筆者はセミナーや社内研修の講師として登壇する際、受講生が従事している仕事を実践しやすくするため、ワークを通して現場で具体的にどんな行動をとるのか、ワークシートに書き込んでもらったり、発表し合ったりといった、アウトプットの場を設けています。

 もちろん、講師によって研修スタイルは多種多様です。こうした方法を取り入れなくても、マネジャー側が研修を受けた部下と早い段階で面談の場を設け、レジュメの確認や本人の感想のヒアリングをしながら、双方でどのように実際の仕事で生かしていくかという方向性を決めていくなど、諸々のやり方があるはずです。

 研修の受けっぱなしが生じないよう、できるだけ策を講ずるのが、マネジャーとしての役目であるはずです。

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大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道

経理スタッフは「定型的な事務作業をこなす人材」と捉えられがち。彼ら彼女へ向けられる仕事の効率化と言えば、“仕訳の自動化”“仕事を属人化させない”といった、表面上の作業の改善を求めるものばかりだ。しかし、本来は経理=経営管理者なのだ。経理の能力を伸ばし、経営のために力を借りるにはどうしたらよいのか。様々な業種の経理畑を歩み、一担当者から管理職まで様々な立場を経験した著者が、経理環境改善のコンサルタントとして、実務者・管理者への支援活動に当たる中で感じたことをまとめる。

「大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道」

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