働き方改革「働きやすさ」はどれほど改善されているのか?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

 長時間労働規制が4月に導入され、はや2ヵ月がたった。職場によって改善の度合いはさまざまだろう。振り返れば、高度経済成長期を経て今日までに私たちの働き方は確かに変わってきた。特に働く女性にとって、それは大きな変化だったのではないだろうか。

 男女雇用機会均等法が施行されたのは、昭和61(1986)年。そのころ入社した人たちは、現在50代半ば、伝統ある上場企業でも役員になるくらいの年代だ。もちろん、会社にもよるが、女性役員の出現はとりたてて珍しいことでもない時代になった。

一匹オオカミや女性社員は
出世することが難しかった

 雇用機会均等法が始まった頃は、バブルの前夜である。高度成長時代に「イケイケドンドン」で成果を出した人たちが取締役会を構成していた。幸いなこと(?)に高度なビジネス戦略が必要な状況でもなく、大事なのは現場の士気を高く保つことであり、誤解を恐れずに言えば、役員は「暇」であった。

 幹部たちは、夜な夜なグループごとにクラブ(お酌をする女性がいるクラブである)や高級居酒屋に集まって、会社の経費で飲み食いを重ねていた。毎週末の、ゴルフ場での社交が平日昼間の業務と同様に重視された。いずれかのグループ(〇〇組、××会などと、自分たちのことを称する)に属し、そのグループのボスに忠誠を誓うことが重要だった。出世を望む会社員たちは、どこかのグループの会合に常に顔を出し、ボスの覚えをめでたくすることに熱を入れた。

 クラブでの話題はゴルフ、野球、社内外の人の評論(もちろん悪口)、わい談。くだらないことこの上なしである。しかし、ごくたまに仕事や人事の話もあって、重要なことが決まったりする。ここに参加していないと実質的な意思決定からはじかれてしまう。