バーニー・サンダース氏
前回の米大統領選挙で、民主党候補の座をヒラリー・クリントン氏と最後まで争ったバーニー・サンダース氏 Photo:AP/アフロ

 自国通貨建ての国債を発行できる国は、政府債務をまだまだ増加できる(ただしインフレが高進するまで)という現代貨幣理論(MMT)が日本で連日話題だ。

 今やその“発祥の地”である米国よりも日本の大手メディアの方がそれをたびたび取り上げている。この1年間の米一般紙におけるMMTの登場回数は、「ロサンゼルス・タイムズ」はゼロ回、「ニューヨーク・タイムズ」はノーベル経済学賞の受賞者であるポール・クルーグマン氏の連載コラムを除けば記事としてはゼロ回だ。

 「政治の街の新聞」である「ワシントン・ポスト」は、来年の大統領選挙を目指す民主党候補者とMMTの関係を解説していた(4月27日付)。民主党は伝統的に社会保障拡大に積極的だ。財源問題から目をそらす上では“打ち出の小づち”的なMMTは魅力的かもしれない。

 ところが同記事によると、同党のエリザベス・ウォーレン上院議員は、社会保障政策や大学の授業料無償化の実現には、財源確保として大企業や富裕層への増税が必要だと主張している。また、ベーシックインカムを提唱する起業家のアンドリュー・ヤン氏は広範囲の新消費税導入を提案している。

 民主社会主義者を名乗るバーニー・サンダース上院議員ですら、MMTとは距離を取る。所得税の累進率を高めて富裕層へ増税し、大企業の“節税”の抜け道をふさぎ、軍事費の大幅削減を行うことで社会保障拡大を行うという。