中国人民銀行Photo:Reuters

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 世界が米中貿易摩擦の行方を注視する一方で、別の脅威が中国金融システムの水面下でくすぶっている。問題の大きさは、おそらく米中摩擦と同程度だ。

 中国の証券規制当局は16日開催した会合で、大手の証券会社やファンドに対して、規模の小さい同業者を支援するよう要請した。17日に業界関係者に配布された会議の要旨で明らかになった。要旨では、債券レポ市場でのデフォルト(債務不履行)以降、短期金融市場でリスク回避姿勢が強まっているとの認識が示された。一部の銀行間貸出金利はここ数週間で大幅に上昇している。

 銀行や金融機関向けの短期融資市場ではかねて、デフォルトや経営破たんが発生した場合には、当局が巨額損失を許容することはないとの暗黙の了解があった。だがこうした見方は足元、大きく揺らいでいる。当局が先月、問題を抱えた中国北部・内モンゴル自治区の地銀、包商銀行を管理下に置くとともに、包商銀行の債務はすべて保証される訳ではないと中国人民銀行(中央銀行)が公然と認めるなど、異例ずくめの事態に発展したことが背景にある。

 こうした金融市場の緊張は悪いタイミングにも重なった。証券会社やファンドなどノンバンクの金融業者は社債の大口投資家で、苦戦する民間企業の最大の支援者だ。彼らはまた、理財商品への資金提供を目的とする銀行の短期借り入れに当局が締め付けを強めた2016年以降、銀行間市場で圧倒的な規模を誇る借り手となっている。