さて、ここが一番重要なところですが、この変化で私たちユーザーの利便性はよくなるのでしょうか。

 実は、気になるデータがあります。日本は2017年くらいまで、iOSのシェアが世界各国の中でもダントツに高い国でした。要するに、みんながアップルのiPhoneをこぞって買っていたのです。iOSのシェアが約7割弱、Androidのシェアが約3割強というのが日本のそれまでの実情でした。

 ところが0円端末が廃止されると、この傾向に大変化が起きます。2018年夏ころにAndroidがiPhoneのシェアを上回り、最新の調査ではiPhoneのシェアが4割近くまで落ちたというのです。

 スマホの性能が上がるとともに、iPhoneの価格帯はモデルチェンジごとに上昇傾向にあります。64GBタイプで見るとiPhone XSが税込みで12万円強、廉価版のiPhone XRが9万円強と、結構高い価格水準になっていることがわかります。

 以前であれば、他のメーカーの端末は4年縛りで実質0円で販売していたので、それでもユーザーはアップルを買ってきたのですが、端末代の負担が大きくなってきたことで、変化が目に見える速いスピードでアップル離れが起きたのです。

この秋のルール改正で
ユーザーに起きる「2つの変化」

 これが今秋からの新ルールで状況はさらに厳しくなる。消費者にとって起きることは、
(1)競争が起きるので料金プランは安くなる、(2)しかし高級機種は容易には手に入らなくなる、ということでしょう。

 お金に余裕のあるユーザーは、5G対応の新機種に乗り換えて、安くなった料金プランでスマホの新サービスを楽しむことができるかもしれませんが、多くのユーザーは4G対応の旧機種や中古端末を使い続けることになるでしょう。政府の求めてきた携帯料金の値下げは実現するわけですが、ユーザーと端末メーカーにとっては、ちょっと気分がブルーになる。そんな制度改正になりそうです。

(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)