◆女性脳とはいかなる装置か
◇女性脳の真骨頂、臨機応変力のカギは「共感」にあり

 女性脳は共感でまわっている。女性たちが口にする「カワイイ~」は、「可愛い」という評価を伝える言葉ではない。「私、心が動きました、あなたも動いた?」というほどの意味である。

 女性脳では、一部の体験記憶が、その体験時の「心の動き」とセットでしまわれており、「心の動き」を検索キーとして、検索エンジンにひも付けされていく。そのため、予想外のことが起きたとき、「心の動き」をトリガーにして、過去の関連記憶を芋づる式に引き出せる。よって、女性はとっさに行動するのが得意なのだ。

 この能力が男性より女性に著しいのは、女性が子育てをしてきた性だからである。子どもにトラブルが起きると、過去の関連記憶を総動員して対処することで、より多くの子孫を残してきたにちがいない。これは生まれつきもっている能力で、子どもがいる女性だけの専売特許ではない。

 自分だけでなく他人の体験談も、こうして「心の動き」とともに取り込めば、「とっさの知恵」を爆発的に増やせる。そこで女性は、「心の動き」の見出しをつけるべく、まるで自身が体験したことのように共感するのだ。つまり、共感は、共感する側にも知恵やセンスという大きな利をもたらすのである。こうして、おしゃべりを通じて女性はリスクヘッジ能力を高め、とっさの判断が得意になっていく。

◇女は特別扱いされたい

 女性脳は、脳の異なる領域を連携させて使う、「複雑系認知傾向」をもっている。これに対し、男性脳は、脳を個別の領域で活性化させて使う傾向が高い。合理的な演算をすばやく行う「合理系認知傾向」といえる。

「複雑系」を多用する女性脳は、混沌とした状況に興奮し、意外性や特別であることを好む。複雑な事象をいちはやく認知できるため、花柄やフリル、左右非対称などを愛する。女性にモノを売りたいなら、色数やバリエーションを多めに展開し、「今だけ限定」「あなただけ特別」を演出しなければならない。

 対照的に、「合理系」を多めに使う男性脳は、簡潔な事象を好む。たとえば、無駄な飾りのない、機能性に富んだフォルムを愛する。色数が少ない・直線・シャープが好みの基本だ。事象でいうと、シンプルで普遍的で公平であること、秩序が保たれていることへの好感度が高い。男性が定番を愛すのも、その一環である。