女性社員の心を挫く「地雷ワード」言ってませんか?

要約者レビュー

 本書は、男性上司が女性の部下を相手にした際に起こりがちなミスコミュニケーションを具体的に紹介し、その解決方法や女性と接するときの心得を解説したものである。自己評価が低く、思い込みの強い女性に、仕事を任せるにはどうすればいいのか? 責めたわけでもないのに突然涙を流してしまう女性にどう対処すればいいのか? 女性同士の派閥争いを防ぐには? そもそも良い関係を築くためにはどう振る舞えばいいのか? こうした問題の解決策、女性ならではの考え方の傾向、仕事に関する価値観、コミュニケーションスタイルを丁寧に紹介していく。

「女性は気がきくね」、「うちの女の子は」、「で、結論は? 要するに何?」など、職場でよく交わされる何気ない一言も、実は女性社員の心を挫いているケースが多いと著者は説明する。その理由をひとつひとつ検証していくと、女性が職場でどんな気持ちで仕事にのぞんでおり、コミュニケーションにおいて相手にどんな対応を求めているのかが見えてくる。

 例えば、「女性が突然泣き出すのは、『わかってほしい』という気持ちが強くなったことで、感情があふれ、一時的に混乱状態になっている」というように、男性からすると、なかなかつかみにくい女性の思考スタイルを、著者は「ありがちな事例」をまじえて、わかりやすく解説している。女性の部下を持つ人にとって、今日からすぐにでも実践に活かせる学びに満ちた一冊だ。 (堀田 隆大)

著者情報

齋藤 直美(さいとう なおみ)
株式会社ミュゼ 代表取締役

 外食チェーン本部人材育成部署にて、約8000人の教育・研修を担当し、新人、管理職、社内講師の育成を行う。その後、2008年株式会社ミュゼ設立に参画。“月曜日が待ち遠しくなる組織作り”をコンセプトに大手企業や自治体などあらゆる業界のリーダー教育、組織活性化に携わり、全国各地で研修・講演を行っている。

 研修、講演の受講者満足度は高く、「現場で使える!」と定評があり、ほめ方・叱り方などについて新聞、雑誌テレビなどで多数取り上げられている。

 著書に、『部下がついてくる人、離れていく人の叱り方』(あさ出版)、『なぜ、あの上司は若手の心を開くのか』(青春出版社)、『「ほめる・しかる」で部下を劇的に伸ばす!「20代男子」戦力化マニュアル』(日本実業出版社)、『叱り方ハンドブック』(中経出版)、『あたりまえだけどなかなかできない叱り方のルール』(明日香出版社)など多数。