ずっと一緒に住んでいて、弱っていくのを間近に見ていながら、私は何もすることができませんでした。
 うつぶせになることをすすめた時には、すでに自力ではうつぶせになれない状態だったのです。
長年、自分が研究してきた分野でありながら、一番身近な家族を救えなかったという後悔が、私のもう1つの原点です。

 少しでも早くからうつぶせを習慣にしておけば、年を取ってもうつぶせが苦痛になることはないはずです。
「そう言われてみれば、自分はうつぶせになれるだろうか?」
 と思ったら、今日からぜひ取り組んでいただきたいと思います。

 そうして、たくさんの方が簡単にうつぶせになれる高齢者になっていけば、日本全体の健康寿命が確実に上がるはずです。
 そして、寝たきりにならず、いきいきとした毎日を送っていただけたら、これほど嬉しいことはありません。

 正しいうつぶせのやり方、注意事項、さまざまな効果、うつぶせを応用した簡単なエクササイズは、『うつぶせ1分で健康になる』をご覧ください。
 また、本書ではうつぶせになることが難しいという人のための半うつぶせ姿勢(半腹臥位・はんふくがい)も紹介していますので、参考にしてみてください。